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コンプライアンス経営
〜いま注目される組織リフォームの切り札〜

企業不祥事が相次ぐなか、「コンプライアンス」という言葉が注目されている。コンプライアンス(compliance)とは、英語の"comply"という動詞の名詞形で、"comply"は"with"を伴って、「〜を遵守する」という意味になる。従って、単にコンプライアンスといっても目的語がなければ何を遵守するのかが不明確になってしまう。

「企業の誠実さ・透明さ」をはかる調査をしているインテグレックス(本社・東京都渋谷区)が調査した企業のうち、コンプライアンスに優れている上位100社の平均株価は、2001年1月を100とすると、2002年5月には114.3に上がっているという。TOPIX(東証株価指数)は、同じ期間でみると65.5に落ち込んでいるので、法令を守る「誠実企業」100社の株価はTOPIXの1.75倍ものパフォーマンスをあげた、ということになる。

これまでの"護送船団経営"が終わったことで企業の不祥事が表面化しやすくなっている。企業の不正が増えているのではなく、本音と建前を使い分けて不正が見逃されてきた企業社会が変わっているのである。企業の経営者は改めてリスクを意識し、社員が不正をしない仕組みを作った企業が生き残る世の中になっていることに気付くべきである。
I. 要約編
1.「コンプライアンス経営」とは
  1-1. 定義
1-2. リスクマネジメント(方法論)から哲学(価値観・倫理観)へ
2.注目される背景
  2-1. 連続する不祥事の背景
2-2. コンプライアンスと企業価値の関係
3.コンプライアンス経営の実態
  3-1. 経営体制とコンプライアンス
3-2. コンプライアンス計画の作成と運用
3-3. 「コーポレート・コンプライアンス・プログラム」
4.具体的事例
  4-1. 外国(及び外資系)企業の事例
4-2. 日本企業の事例
5.課題と展望
  5-1. 経営者の意識改革
5-2. 正直者企業が損をしない仕組み
5-3. グローバル時代への対応
   
  Kenji's Viewpoint
   
II. 付属編
1.関連用語集
2.情報源
3.関連資料