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EU(欧州連合)の拡大と深化
〜期待されるEUと日本企業のパートナーシップ〜

EUは欧州の先進資本主義圏のクラブである。そこにかつての東欧諸国が入ることで、冷戦が生んだ2つの欧州の分断は終結を迎える。その結果、誕生する「大欧州」の前途には難問が多いが、ヒト、モノ、カネ、サービスの行き来が自由な域内市場の拡大を促進し、加盟国の経済にとって大きなプラス効果を生む。それを踏まえて旧社会主義諸国の底上げをはかり、共生への道を探ることが課題となろう。

2000年度における日本とEU間の財とサービスの貿易総額は1,600億ユーロ(約19兆7,000億円 1ユーロ=123.56円:2002年12月24日現在)。日本はEUにとって世界第3位の輸出市場であり、第2位の輸入相手国となっている。さらにEUは、世界貿易の約20%、世界の外国直接投資残高の30%を占め、世界最大の貿易経済圏を成していると同時に世界の主要な投資元でもある。日本からの輸入はEU全体の8.3%で、米国に次いで第2位となっている。つまり、日本は欧州企業にとって非常に大きなビジネスチャンスを持つ国なのである。

近年、電気通信、自動車製造、小売、保険などの分野で欧州企業が日本市場へ大規模な投資を行ったため、対日外国直接投資においてEUはトップに立っている。
加盟国15カ国から25カ国へと拡大、そして深化し続けるEUの現状を、日本との関係を軸に探る。
I. 要約編
1.深化・拡大する欧州統合
 
EU統合の歩み
  2-1. 拡大EUの発足
2-2. 域内市場統合
2-3. 通貨統合
3.拡大と深化の実態
  3-1. 第5次EU拡大の概要
3-2. 通貨統合の効果と課題
3-3. 欧州統合と日本企業
4.日本企業の欧州戦略
  4-1. ソニー
4-2. キヤノン
4-3. トヨタ
5.課題と展望
  5-1. 欧州統合の課題
5-2. 欧州統合の将来
5-3. 注目される地域の動き
5-4. 日本企業の課題
   
  Kenji's Viewpoint
   
II. 付属編
1.関連用語集
2.情報源
3.関連資料