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「持株会社」による分社化戦略の成否
  〜企業グループの抜本的組織変革〜

わが国では1997年6月の独禁法改正により、事業支配力が過度に集中しなければ、自由に持株会社を設立することができるようになった。続いて1999年及び2001年に施行された改正商法により、ようやく持株会社制に対する欧米並みの法体系が整備されたといえる。

それぞれの事業分野に立脚する個々の子会社が、本社機構やグループ・コア事業等の制約を受けずに、日々激しく変化する事業環境に的確に対応するために迅速かつ柔軟に事業形態を取り得る点が、持株会社の最大の利点である。しかしその反面、子会社間での連係意識や一体感が薄れ、グループ全体としての業績達成への効率的活動が阻害される弊害も懸念される。

日本企業は終身雇用制による社員の忠誠心と風通しのよい組織体制をベースに、過去幾多の困難を乗り越えてきた。しかし今日、長い不況下のリストラによって終身雇用制は崩壊しつつあり、連帯感や長期的視点という我々の強みである事業基盤は失われつつある。将来に向けどのような経営制度を採用するにしても、かつての日本的経営がもっていた「よきもの」を再度認識し、その時々の新しい経営ツールと融合させることが、これからのグループ経営に求められる。
目次
1.「持株会社」とは
  1-1. 定義
1-2. 持株会社の種類
2.注目される背景
  2-1. 日本の持株会社の歴史
2-2. 持株会社のメリット、デメリット
3.持株会社の仕組みと運営
  3-1. 持株会社の形態、種類と設立方法
3-2. 持株会社によるグループ経営への移行ステップ
3-3. 社内カンパニーと持株会社の比較
3-4. 持株会社による企業グループの運営
4.活用事例
  4-1. 国内の例
4-2. 海外の例
5.課題と展望
  5-1. 持株会社制の課題
5-2. グループ経営の将来展望
   
  Kenji's Viewpoint