
●2012年9月のひとこと
残暑お見舞い申し上げます。
まだまだ暑さは続いていますが、9月に入り秋の風を少しずつ感じるようになってきました。
さて今月は9月19日に再上場を予定している日本航空(JAL)について考えてみましょう。
JALは2010年1月に2兆3200億円という巨額の負債を抱え、経営破綻し、その翌月の2月には上場廃止となりました。株主が所有していた株券は文字通り紙くずとなり、従業員を含めたステークホルダー(利害関係者)に与えた被害や国際的信用失墜など、大きな社会問題となったことはみなさんも記憶に新しいのではないでしょうか。
私が大学を卒業したころのJALは、学生の就職希望先ランキングで常に上位にあり、日本を代表する顔でもあったことを考えると、まさに隔世の感があります。当時、海外旅行ブームとともに、“日の丸航空”などともてはやされ、「安定企業」の象徴でもありました。
話は変わりますが、当時の都市銀行も「安定企業」のひとつで、「日本で銀行がつぶれる時は国がつぶれる時だ」などと豪語していた銀行マンもいたほどですが、バブル崩壊とともに業界再編が進み、今やその頃の名称がそのまま残っている都市銀行は消えてしまいました。
そして、2年前のJAL経営破綻というショッキングなニュースは、ある意味「安定企業」という神話の崩壊を決定づけたような印象を持ちました。
余談ですが、これまで“超安定企業”と思われていた東京電力さえも例外ではなく、昨年の福島原発事故の対応ミスによってその経営基盤が大きく揺らぎ始めています。
話を戻しましょう。
このJALも外部からカリスマ経営者ともいわれる稲盛和夫氏(京セラ創業者)を招き、巨額の債務放棄や企業再生支援機構からの数千億円出資などによって、再生プロセスが軌道に乗り出した結果、今回の再上場となったわけです。
この再上場が、“失われた10年、20年”による日本企業の復活につながるテイクオフ(離陸)となり、「コーポレート・ガバナンス」重視の経営安定飛行が可能となるよう、祈っております。
●事業活動のご連絡
先月のマンスリーグリーティングスでもお知らせしましたように、8月の後半は、中堅社員向けのグローバル人材育成研修、経営幹部向けの計数能力・現場組織力養成研修、研究開発スタッフ向けの新事業探索・推進研修などをさせていただきました。ホットな最新情報を取り上げながら、最先端の難しい経営課題の解決につながる研修講師を務めさせていただきました。そして、私自身もビジネス現場のナマ感覚を磨きつつ、また再学習しております。
今月は、9/14(金)から大学の後期授業もスタートしますが、このビジネス現場で起きている“潮流変化”を学生に少しでも伝えながら、生きた学問、実学にしていきたいと、願っております。
以上、2012年9月のMonthly Greetingsでした。
弊社ビット89では、皆さまの社外「経営企画室」として、
ビジネスに直結した
●「量り売り方式のリサーチ」
●「即戦力となるセミナー研修」
●「コーチング スタイルのコンサルティング」
を行っております。
出前スタイルのセミナー研修も喜んでお受けいたしますので、
どうぞいつでもお気軽に声をかけてみてください。