
●2012年3月のひとこと
2月下旬〜3月上旬にかけて米国出張しておりましたので、本メルマガ今月号のお届けが遅くなり、失礼しました。
さて、あの「3.11」からまもなく1年。新聞・テレビ等では東日本大震災とその影響について特別企画の報道がされています。
私は福島の原子力発電所事故と日本人のリスクマネジメント等に焦点をあて、考えてみたいと思います。
昨年12月、NHKスペシャルで放映された「原発危機メルトダウン」などでも事故の実態が明らかにされましたが、この番組をご覧になられたみなさんは、どのように感じられたでしょうか?
誰が悪いのか個人を特定できないのが日本の特性のように思われます。すなわち現場での個人一人ひとりは担当あるいは専門分野に特化した優秀性を持っていても、周辺・関連分野については自分以外の“誰か”が担当しているだろう、と思いこんでいる「もたれ合い組織」の風土や文化に問題があったのではないでしょうか。
10年ほど前だったか、当時桐蔭横浜大学の特任教授をされていた郷原信郎氏(現在、郷原総合法律事務所代表ほか)の講演を聞いたとき、大変興味深いことを話されていたのでここでご紹介しましょう。
このときの講演のテーマはコンプライアンス(法令順守)で、違法行為の日米比較について述べていらっしゃいました。
郷原氏は、米国では個人の利益目的で違法行為が発生することが多いのに対し、日本では組織の利益目的で発生することが多いとのこと。そして米国は「ムシ型」、日本は「カビ型」と評されたことを鮮明に覚えていますが、実にその通りと思っています。
すなわち問題の発生原因を個人に特定できる「ムシ型」では、そのムシを退治することで対処できますが、組織が原因の「カビ型」では、風土や文化から組織全体にカビがはびこるため、問題解決が難しいということです。
この「もたれ合い組織」と「カビ型」問題発生についてみなさんはいかがお考えでしょうか?
●事業活動のご連絡
冒頭でも述べましたように、先月末から今月初めにかけて、勤務先大学の短期海外研修引率教員として米国シアトルに出かけておりました。
22名の大学生を引率し、ボーイング社のエバレット工場で今注目のボーイング787機などの生産工程を視察したり、在シアトル総領事館や三菱商事シアトル支店の方のお話を聞かせていただくなど、学生にとっても大変刺激ある有意義な視察研修になったかと思います。
そのなかで私が感じたことは、ダウンタウンなどではあまり経済の活力を感じるようなことはありませんでしたが、Whole Foods(ホール・フーズ)というややセレブなオーガニック・マーケットストアを訪問したとき、グルメな人たちで賑わっているのに驚きました。
景気はいま一つという中、日本同様に、自然食品や有機野菜などは多少高くても買う消費者がいるということです。
日本の原発事故の影響で、このようなマーケットなどでも日本からの食品輸入業者は風評被害などで大きな打撃を受けたことも聞きましたが、あらためて原発事故の罪の大きさを感じました。
もちろんこのような高級食材ストアでの消費者とは別に、ウォルマートなど低価格食材の消費者も多くおり、ある意味、二極分化すなわち格差が進んできているとも言えそうです。
以上、2012年3月のMonthly Greetingsでした。
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